親が元気な今だからこそ、知っておきたい備えのポイント
介護は多くの家族にとって初めての経験であり、何をいつどのように準備すればよいか戸惑うことも少なくありません。本記事では、厚生労働省等の情報に基づき、介護の備えについて解説します。

介護は多くの家族にとって初めての経験であり、何をいつどのように準備すればよいか戸惑うことも少なくありません。本記事では、厚生労働省等の情報に基づき、介護の備えについて解説します。
家族の介護に備えるために具体的に何を準備し、どのタイミングでどんな行動を取るべきかは、多くの方が知りたい重要なポイントです。「介護に向けて準備するもの」「押さえるべきポイント」を中心に、実務・制度・準備ステップを意識して解説します。
介護への備えが必要な理由は以下の3点です。
介護が突然必要となるケースも多くあります。介護が必要になる前から介護知識や相談窓口を知っておくことが円滑な対応につながります。
介護が必要となる前に始めるべき行動は段階的に整理できます。
事前に本人・家族ではじめるべき行動を共有し、準備を具体的に進めておきましょう。
| 項目カテゴリ | チェック内容 | 状況(✓) |
|---|---|---|
| お金の準備 | 介護費用の概算を把握している | |
| 生活環境 | 手すり・段差・照明を見直した | |
| 情報共有 | 緊急連絡先・かかりつけ医を家族で共有 | |
| 手続き | 介護保険申請書類を確認した | |
| 心の準備 | 親の希望・家族の役割を話し合った |
介護準備チェックリストは、家族による事前の備えを体系的に進めるためのもの。活用することで、家族が突然介護に直面した場合でも困らず、速やかに必要な手続きを進められます。まずは簡易的な内容ですが、各項目が準備できているのかを確認しておきましょう。
より細かくチェックしたい場合は、下記の厚生労働省が公開しているチェックリストも併せてご確認ください。
【参考情報】「親が元気なうちから把握しておくべきこと」チェックリスト|厚生労働省
また、日々の暮らしぶりフレイルチェックで家族や自分の健康状態を確認してみましょう。
介護の事前準備では、制度の理解が重要です。
介護にかかる費用については以下の記事より確認しましょう。
参考:【初めて学ぶ】介護サービスの費用相場まとめ 月額いくら?自己負担は?
介護サービスの利用者負担(自己負担)は基本1割で、所得によっては2割・3割になる場合があります。
1か月の利用者負担には所得区分に応じた一定の上限額(月額)が設けられており、これを超えた分に対しては区役所に申請することで「高額介護サービス費等」として払い戻しが受けられます。ただし、福祉用具購入費や住宅改修費、食費・部屋代などはこの制度の対象外です。
申請については、利用者負担が上限額を超えた月の約2~3か月後に区役所から申請書が送付されます。初回はその申請書を提出する必要がありますが、2回目以降払い戻しに該当する場合は、原則として初回申請時に指定した口座に自動的に振り込まれます。
施設入所や短期入所(ショートステイ)を利用する際の食費・部屋代(居住費)は通常全額自己負担ですが、所得の低い方(生活保護受給者や市民税非課税世帯等)で資産要件などを満たす場合には、負担が軽減される制度があります。
利用には区役所保険年金課へ申請し、「介護保険負担限度額認定証」の交付を受ける必要があり、申請時には介護保険被保険者証のほか、預貯金通帳などの資産を確認できる書類の提出が求められます。
その他にも所得状況や利用するサービス等によって助成が受けられる場合があります。詳しくは横浜市HP(介護サービスの利用者負担軽減について)をご確認ください。
介護は突然始まることも多いため、家族がスムーズに対応できるように段階的に準備を進めておくことが重要です。ここでは、3つの主要な段階ごとに具体的に何をすべきかを解説します。
区役所高齢・障害支援課や地域ケアプラザへの問い合わせ先を確認し、利用可能なサービスや手続きの概要を把握します。
どのような生活環境を望むか、延命治療や施設利用について本人の考えを尊重し、書面で残すことも検討します。
健康状態や服薬情報、かかりつけ医の情報、預貯金や保険の所在、重要書類の保管場所を家族で共有し、必要に応じて整理しておきます。
地域ケアプラザなど介護支援の拠点と連絡を取っておき、何かあったときにすぐに相談できる関係を築きます。
身体や認知機能の変化、日常生活動作の支援が必要になりそうな兆候があれば早期に相談し、適切な情報やサービスを得る準備を始めます。
介護保険利用の前提となる要介護認定は申請が必要です。申請方法や必要書類、訪問調査などの流れを把握し、家族で共有します。
自宅の安全対策(手すり設置など)や福祉用具のレンタル、施設利用を検討し、情報収集を進めます。
介護保険サービス利用計画を作成し、家族の役割分担や連絡体制を固めます。
訪問介護やデイサービスを開始し、本人の状態に合わせてサービス内容を見直します。
自己負担割合の理解や高額介護サービス費制度など公的補助を活用し、家計管理に反映させます。
家族介護者の負担軽減のため、相談窓口やレスパイトケア(短期入所)など地域支援サービスを積極的に利用します。
介護の備えは、具体的な場面に応じたリストを作成し、家族で共有することが大切になります。
老人ホームを見学する際は、利用者の生活の質や安心につながるポイントを確認しましょう。具体的には下記をチェックしてみてください。
入居に際しては以下のものを揃える必要があります。
外出や旅行の際にはより慎重な準備が必要です。本人と家族の安心の確保ためにも事前に確認をしておきましょう。
災害時の備えは高齢者の命を守るため不可欠。万一の時に備えて日頃から準備し、地域や家族と連携を取っていきましょう。
介護準備において、家族間での円滑なコミュニケーションは重要。相手の希望を尊重する話し方、家族の役割分担、そして仕事との両立方法について以下にて解説します。
介護の話題はデリケート。親の意向を尊重しつつ話しやすい雰囲気をつくることが大切です。以下は避けるべき質問例です。
介護の役割分担は負担の偏りを防ぎ、継続的な介護を支えます。以下のポイントを押さえておきましょう。
介護の役割分担は負担の偏りを防ぎ、継続的な介護を支えます。また、計画的に家族内の役割を決めることは、介護離職の防止や精神的ストレス軽減にもつながります。
介護の準備や悩みは、一人で抱え込まずに地域の専門機関を活用することが大切です。以下より、地域ケアプラザの探し方や相談時の準備について解説します。
地域ケアプラザは、身近な福祉・保健の拠点として市内に148か所設置されています。地域ケアプラザ検索より、お住まいの地域の地域ケアプラザを検索してみましょう。
参考:地域ケアプラザ検索
ケアマネジャーや介護相談員に相談する際は、以下の準備をすると話がスムーズです。
介護の備えは、本人の希望を尊重しながら早めに始めることが重要です。そして、本人と周囲の関係で一番大切なのは「早めの話し合い」と「情報の可視化」となります。
家族や地域の専門機関と連携することで、急な状況変化にも柔軟に対応できます。計画的に進め、精神的・経済的負担を軽減しましょう。この記事の内容を参考に、介護の備えを段階的に進め、一歩ずつ安心の未来を築いてください。