荏田西地区では、夏休み以外にもラジオ体操
青葉区荏田西地区では、週に4回、朝の9時からラジオ体操が行われています。
今回取材に訪れたのは荏田西コミュニティハウスの前にある「憩いの広場」。
開始時刻が近づくと、一気に人が集まってきました。
この日参加されたのは、30人以上。皆さん一緒に体を動かします。
誰でも一度は経験したことのあるラジオ体操。
朝9時からという開始時間も、早すぎず、遅すぎない時間帯で、気軽に参加しやすい理由のひとつです。ここで行われているラジオ体操には、多くの方が継続して参加されています。
ラジオ体操のあとは、情報共有やおしゃべりの時間
ラジオ体操終了後、この地域のイベントなど、様々なお知らせがありました。
話しているのは、荏田西地区社会福祉協議会や地域ケアプラザの職員、民生委員など、地域に関わる活動をしている方々です。
ここは、活動をしている方々と、地域で暮らす方々の情報共有や交流の場にもなっています。
コロナ禍では、「ワクチンの情報をこのラジオ体操で知った」という方もいて、参加者には重要な情報を得られる場所だという認識も広まっているそうです。
その後は休憩したり、各々におしゃべりしたり。地域住民がお互いにコミュニケーションをとれる機会になっていました。
運動になり、誰かと話す時間ができ、情報も得られる。
これが荏田西地区のラジオ体操です。
参加している方の声
回覧板を通じてこのラジオ体操を知り、参加するようになった女性は、「一度参加したら、友達の輪が広がり、心も体も元気になった。」と言います。
「登録する必要もなく、来たい時に来られる気軽さが良い。」
「家にじっといるより、ここにきて『おはよう!』と言うことが心の元気につながっています。」
「荏田西地区が一番の長寿の地域になったらどうしよう!」
など、集まった参加者のみなさんが話してくださいました。
また、このラジオ体操を主催している荏田西地区社協や地域ケアプラザ、民生委員とのつながりから、介護や暮らしのちょっとした困りごとを相談しやすい環境も生まれています。
「小さい単位」の積み重ねが、絆を深める秘訣
この活動を統括する、松山 貴さん(荏田西地区社会福祉協議会会長)にお話を伺いました。
松山さんは退職後、2014年から自治会や、社会福祉協議会の活動に参加しました。
会社員時代に勤務地だったシンガポールやビジネスや研修で十数年か往来したアメリカなど、各国の生活スタイルや社会奉仕活動の実情を見聞、体験し、継続して集まれる「小さい単位」の拠点を作ることで、地域の絆が深まることを感じていたそう。
そして2020年、青葉区のサポートをきっかけに、社会福祉協議会が中心となって、この「荏田西憩いの広場」をオープン。
この広場で継続的に開かれる「小さい単位」の地域コミュニケーション拠点として、この地区4箇所目となるラジオ体操を始めました。
「一つの場所に定期的に集まることで、あいさつから始まり、徐々に絆が生まれるんです。」
また、健康面からもこまめな継続を大切にしています。
「月に1回だけやっても効果は薄い。やるなら週一回くらいはやらないと。運営も大変だけど、頻度が高い方がみんなのためになる。」
この「小さい単位」の積み重ねが、地域住民の健康づくりや絆を深めることの秘訣のようです。
地域ケアプラザ職員からは
横浜市では、地域ケアプラザが介護保険の申請や、ちょっとした暮らしの困りごとの相談、地域活動に参加したい方の相談などを担っています。
この活動を継続的に支援している守谷さん(ビオラ市ケ尾地域ケアプラザ 生活支援コーディネーター)にもお話を伺いました。
「ラジオ体操なら誰でも気軽に参加できるので、誘いやすいというのがまずあります。」
「介護が必要になる前から地域ケアプラザとつながりを持っていただくことで、サポートできることの幅も広がります。こうした地域の方と普段から交流できる場があるのはありがたい。」
と話してくれました。
荏田西地区のラジオ体操に参加したいと思ったら?
荏田西地区のラジオ体操は、毎週9時から荏田西地区の下記4か所で行われています。
月曜日 泉公園
木曜日 荏田猿田公園
金曜日 泉田向公園
土曜日 荏田西憩いの広場(荏田富士塚公園)
お近くの方は申し込み不要ですので、ぜひ参加してみてください。
また、荏田西地区では、ラジオ体操や、地区社会福祉協議会が主催するイベントのボランティアスタッフも募集しています。
「地域のためになにかをしたいという気持ちが集まることで、物事を前に進めることができます。みなさんの少しずつの力が必要なんです。」と松山さん。
地域の「小さい単位」の活動に、みなさんも参加してみてはいかがでしょうか?
編集後記
ラジオ体操の曲がかかると、一斉に体を動かし始める参加者のみなさん。誰でも知っている体操なので、通りすがりの方もふと足を止めます。
子どもから大人まで一生懸命体を動かしていました。
気軽に参加できる地域コミュニティとのつながりは、普段の生活でも、コロナ禍のような不測の事態にも、とても大切なのだと感じました。
なかなか地域の活動というと、最初のきっかけ探しに戸惑うこともあるかもしれませんが、こうした気軽な活動から、まずは足を止めてみると良いかもしれませんね。