金沢区の“げんきライフさくら茶屋”運営にみる、やりがいと成功のヒント

金沢区の“げんきライフさくら茶屋”運営にみる、やりがいと成功のヒント

〜地域を支える「サービス・活動B」運営の魅力~

住み慣れた地域で、誰もが輝ける居場所を 

いま、日本中で高齢化が進み、横浜市でも「地域で助け合うコミュニティづくり」の大切さが高まっています。 

そのような中、地域の高齢者がフレイル状態となっても、孤立することなく、心も体も健康でいられるような「通いの場」が求められています。 

そのような「通いの場」を増やすため、横浜市では、「横浜市サービス・活動B等補助事業」を実施し、地域の皆さんが主体となって行う介護予防や日常生活の支援などの取組をサポートしています。 

「横浜市サービス・活動B等補助事業」についてはコチラ  

今回ご紹介する特定非営利活動法人さくら茶屋にししばの運営する“げんきライフさくら茶屋”も、この制度を活用し、地域の方々が集う温かい居場所として成功を収めている代表的なスポットです。 

ゼロからの挑戦:続けられる「通いの場」をめざして 

ーさくら茶屋にししばを立ち上げるきっかけはなんでしょうか? 

“さくら茶屋にししば”は、前理事長の「自治会の福祉サービスの週に一回程度の集える場だけでは足りない。いつでも誰でもが気軽に来られる居場所が必要だ。」という強い想いから始まりました。」 

当初は「私たち素人でも運営できるのかしら?」「場所代はどうしよう?」といった心配の声もありましたが、ちょうどそのときに「ヨコハマ市民まち普請事業」を知り、それが大きな支えになって、2010年に活動をスタートさせることができました。 

「毎日集い、継続して利用できる場をつくりたい」そんな思いで商店街の空き店舗を借りたのが、“さくら茶屋にししば”の始まりです。おかげさまで、活動が広がるにつれて利用者も増えましたので、2013年ごろには2店舗目“さくらカフェ”も開設しました。


ー今はどんな活動をされていますか? 

“さくら茶屋にししば”は手づくりランチ弁当惣菜の提供のほか各種イベントを開催しています。2017年の10月に開始した“げんきライフさくら茶屋”は介護予防に資するプログラムとして「体操」「介護予防プログラム」「おしゃべり(交流)」という3つの柱を大切にしながら、利用者の皆さんがいきいきと過ごせる場所づくりを続けています。 

 

活力を生み出す喜びと、絶え間ない工夫の日々 

ー運営しているみなさんが、やっていてよかったと思うのはどのようなときでしょうか。 

私たちにとって何よりの喜びは、利用者の皆さんに「ここに来るのが楽しみ」「仲間ができた」と楽しんでいただけることです。 

運営する私たちにとってのいちばんの活力は皆さんの笑顔ですから。 

運営の様子
イベントの様子

ー運営していて難しいと感じることはどんなことでしょうか。 

同じことばかりを繰り返していると利用者さんが飽きてしまいますので、介護予防に資するプログラムづくりにはいつも頭をひねっています。運営者としてベテランになった今でも、これは大変な課題です。 

コロナ禍では外出できない方のためにYouTubeで季節の風景・花・動物・音楽等を流す試みにもトライしましたし、利用者さんが集中しづらい内容は思い切って変えたりもします。そうやって、利用者さんが飽きずに楽しめるアイデアと工夫をいつも心がけ、実施しています。 

そうした地道な努力や工夫の積み重ねが、今の“げんきライフさくら茶屋”をつくっているのだと自負しています。 


ー特徴的なプログラムにはどんなものがありますか。 

① 生の感動を届ける交流活動 

ボランティアの方によるバリトンサックスなどの生演奏は、「音楽を目の前で聴けたのがとっても良かった」「久しぶりの音楽会なので嬉しかった」と大好評のプログラムです。 
 また、かつては複数名で一鉢を作っていたフラワーアレンジメントも、今では一人一鉢ずつ用意できるようになったおかげで、自分の手で完成させて持ち帰れるようになりました。参加された方々は、「自分だけの作品を自分の手で作った」という充実感をしっかり味わってくれています。 

② 専門家の力を借りた“質の高い支援” 

地域の理学療法士(PT)さんが月に一度来てくださり、専門的な視点で協力してくれているのも利用者さんには好評です。「この筋肉を意識して動かすといいですよ」といった具体的なアドバイスが、利用者さんのやる気をぐっと引き出してくれるんです。 

運営している私たちからしても「専門家の方の言葉は重みが違うなぁ」と感激することしきりです。 

「横浜市サービス・活動B等補助事業」活用の秘訣:来やすく、続けやすい環境づくり 

ーこれだけ多くの方が利用していただける理由は何だと思いますか。 

“げんきライフさくら茶屋”が多くの方に利用されている理由のひとつは、利用料がほとんどかからず気軽に来られる点です。 

利用者さんが負担するのは、お茶代やプログラムの実費(材料費など)のみなので、「気軽に寄れる」という声をよくいただいています。 

「横浜市サービス・活動B等補助事業補助金」なども活用することで、「誰もが毎日でも来やすい環境」を整えることができています。 

多くの方がここを利用するもう一つの理由は、「質の高い情報交換の場」になっていることだと思います。 

「あの病院はどう?」「あのお店は良かった」など、地域に住む同世代同士だからこその“生きたクチコミ”がいつも行き交っています。 

そして、「情報交換の場」を継続させるために私たちが何より大切にしているのは「信頼関係」です。この場所で話したことはここだけで――その信頼を丁寧に守り続けています。そうした安心感があるからこそ、皆さんが本音で語り合える“温かくも濃密な交流の場”として成り立っているのだと思います。 

また、利用者さんから「介護保険サービスを受けていると、“げんきライフさくら茶屋”を使えないのでは?」という心配の声を耳にしますが、ご安心ください。“げんきライフさくら茶屋”は他の介護保険サービスと併用してご利用いただけます。 

この柔軟な使いやすさも、多くの利用者さんにとって魅力のひとつだと思います。 

仲間への期待:若い力と次の世代へ 

ー今後も継続していく上での課題はありますか。 

活動の課題は、何より大切な目標である「活動を続けること」を実践する上で、スタッフやボランティアの高齢化、後継者不足です。 

現在は、ギリギリの人数で頑張っていますので、ぜひ一緒に支えてくださる方をお待ちしています。 

最近、若いボランティアさんが2~3人加わってくれたのですが、仲間が増えるのは本当に嬉しいし、心強いことです。 

これからも、演奏や美術、ものづくり、運動など、多彩な分野でプログラムを提供してくださる方や、専門的な知識でサポートしてくださる方のご参加を楽しみにお待ちしています。 

特別な資格がなくとも大歓迎です。ここのスタッフには福祉の資格を持つ方もいますが、基本は“素人ながらも皆んなで力を合わせて”つくっている場所なのですから。 

誰もが最初は素人ですので、安心して来ていただけたらと思います。 

未来の運営者へのメッセージ

ー地域の通いの場に参加してみたい。運営してみたいという方に向けてメッセージはありますか。 

今や、“げんきライフさくら茶屋”は私たち自身にとっても大切な「居場所」です。運営活動が私たちに「元気」と「ふれあい」をもたらしてくれますし、この場所こそが「生きがい」になっています。 
こうした活動は、一緒に活動してくれる仲間が最低でも2人いて、「体操・介護予防・交流の場」への関心さえあれば始められます。 

どなたであってもチャレンジできる――これは、私たちが実際に経験してきたことです。 

“げんきライフさくら茶屋”の成功は、特別な技能があったからだとは思いません。「地域を良くしたい」というまっすぐな思いがあり、それを後押ししてくれた「横浜市サービス・活動B等補助事業」があったからこそ実現したものだと思います。 

もし「地域の通いの場をつくってみたい」と興味を持たれたら。まずはお近くの地域ケアプラザにご相談するのがいいと思います。きっとあなたの想いを応援してくれます。