単純なルールもボッチャの魅力
ボッチャで使用するのは直径8cmほどの3色のボール。
柔らかそうな布製の見た目と比べて、程良いずっしり感があります。
先行チームが投げた白いボールを基準として、赤と青の2チームがどれだけ白いボールに近づけられるかを競います。投げ方は自由。
単純なルールで、それほど体力も使わないため、誰もが楽しめるスポーツとして人気が高まっています。
そして、始めてみると技術を磨いたり、戦略を練りたくなる奥深さがあるのもボッチャの魅力。
毎月第3月曜日に活動する栄区のボッチャ部
今回ご紹介するのは、横浜市栄区の「ボッチャ部」。
ボッチャを通して老若男女、障がいのあるなしを問わず、人と人が繋がることを目標に活動しています。
活動時間は毎月第3月曜日18時~20時。
場所は豊田地域ケアプラザ。毎回20名ほどの参加者が集まります。
取材した当日は、30代~70代と幅広い年代の方が集まっていました。
※現在の活動日は直接地域ケアプラザへお問合せください。
はじめてでも楽しめる
この日は、初めて参加したというご夫婦がいらっしゃいました。
「なにか体を動かしたい」と考えていたところ、地域ケアプラザのチラシを見て興味をもったそうです。
実際に参加されて、「難しいけど面白い、みんなで盛り上がるこの雰囲気もいいですね!」と感想を伝えてくださいました。
はじめてでも、ファインプレーが出ることも。一度やってみると、次はもっとうまくやりたいという気持ちになるスポーツです。
活動のモチベーションは大会という目標
ボッチャ部設立の発起人である白川正信さん(ボッチャ部 代表/栄区スポーツ協会 会長)にもお話を伺いました。
白川さんは中学生の頃から50年以上ソフトテニスと関わってきたスポーツマン。
ある時耳の聞こえない人と出会い、スポーツと福祉を近づけたいという思いが湧いてきました。
栄区社会福祉協議会に関わったこと、パラリンピックでボッチャの「火の玉ジャパン」が話題にあがったことがきっかけで、このスポーツを広める活動を始めることを決意します。
参加者のモチベーションを維持しながら、長く続けられる仕組みが必要と感じ、大会を開催しました。
競技人口を増やすための体験会の開催や、オフィシャル審判の育成、そして栄区の後援も得て新たな大会を開くようにもなりました。
大会が定着してきたいまは、定期的に地域ケアプラザと協力して体験会を開催するなど、新しい人が入りやすいような仕組みも整えています。
準優勝したチーム
この日は栄区の大会で準優勝したチームの報告会でもありました。チーム名は「豊田ボランチャ」。
チームメンバーの3名は、豊田地域ケアプラザを拠点にボランティア活動をしていたという共通点があるそう。
地域活動の参加について、
「まずは外に出てみないと出会いはないですよね。一歩踏み出すことです。どんな出会いがあるかわからないし、そこから進展していくんです。初めての大会で銀賞だったので、次はめざせ金賞!」と意気込みも聞かせてくださいました。
出場にあたり、対戦相手との出会いやチームの自主練、作戦会議など、コミュニケーションの機会も増えたそうです。
大会という同じ目標があることで、つながりも増えていくことを感じ取れました。
まずはやってみて!ボッチャで繋ぐ新しいコミュニケーション
ボッチャは障がいのある・なし、体格の差や体力の有無も関係せずに出来るスポーツ。
チームプレーで助け合ったり、運が味方することに一喜一憂したり、コミュニケーションが生まれやすいスポーツでもあります。
「まずはやってみて!」と白川さん。
また、栄区役所の職員もボッチャに魅力を感じ普及に尽力しています。
「年齢の偏りや障がいの有無に関係なく、運動しながら交流できるスポーツはなんだろうと考えていたところ、ボッチャにはその素地があると感じました。」そうして白川さんと連携する機会も増えていったそうです。
「年々やりたい人が増えていて、皆さんうまくなっているんです。」と嬉しそうに話してくださいました。
ボッチャは、「潜在的にやりたいと思っている方もまだいると思うので、今後も協力しながら盛り上げていきたい」とも語ってくれました。
「ボッチャ部」の活動に参加してみたいと思った方は、ぜひ豊田地域ケアプラザへ。
そして、栄区在住ではない方、ボッチャに限らず、もっと近くに気軽に参加できる活動がないかと思った方は、お近くの地域ケアプラザに相談してみてくださいね。
編集後記
取材陣(30代)も参加し、多世代の多様な方々と盛り上がる楽しさを体験させていただきました。
白川さんの言葉の通りで、私たちもみなさんに「まずはやってみて!」と伝えたいと思いました。