歴史の長い、「男の料理教室」とは
横浜市にはさまざまな料理教室がありますが、今回訪れたのは菊名地区センターで行われている「男の料理教室」。
参加者は全員男性で、平均年齢は70代。
月に1回、第2日曜日に開催。1回のクラスは約2時間で、3品作ります。
役割を見つけながらチームで作る
この日のメニューは、春菊と溶き卵のすまし汁、チキンピラフ、青梗菜とツナのレモン和えです。
先生と一緒にレシピを見ながら、食材の切り方や火加減など、細かい手順を確認します。
準備ができたら、チームに別れて調理開始です。
それぞれが自分の役割をみつけ、チームで協力しながら3品の調理が進んでいきます。
食材や切り方によって、適した包丁の動かし方を教えてくれます。
最後はみんなで味見をして、味を整えたら完成です。
彩りも綺麗な3品です。
レシピも先生が考案したもの
この料理教室で、20年以上講師を務めているのが、管理栄養士の青木祐子さん(男の料理教室 講師)。
レシピは季節に合わせた旬の食材や、健康管理に役立つ栄養学をもとに考案しています。
取材に訪れたこの日が第228回目、これまで一度も同じレシピを使用したことがないというので驚きです。
青木先生はレシピを解説するときも、食材ごとに体に良い理由や、おすすめの調理方法などを丁寧に伝えます。
参加者のみなさんも、「こうして基礎から教えてもらえることで知識も増えて楽しい」と話してくれました。
始めるきっかけは人それぞれ。初心者でも参加しやすい男の料理教室
真砂文夫さん(男の料理教室 会長)にお話を伺いました。
真砂さんは、定年退職のお祝いで、奥様から蕎麦打ち体験教室をプレゼントされたのをきっかけに、この男の料理教室に通いはじめました。
それまで料理をすることはありませんでしたが、料理教室へ通い出すと、作ることが楽しいと感じたそうです。
チームで作る過程も、楽しさのひとつだと言います。
会長を引き継いでからは、クラスの作業工程表を作成するなど、活動が円滑に進むように会を支えています。
他の参加者の方々は、この料理教室について、
「料理ができたら、いざというとき一人になっても困らないかなと思い、参加するようになりました。」
「教室で習ったレシピは家でも作り、家族に振舞っています。」
「皆さん声をかけてくれるし、先生にも細かく教えてもらえる。」
と話してくださいました。
男性同士だから共感できることも。まずは気軽にはじめてみませんか?
この教室では、もともと料理をしてこなかった男性同士だからこそ、お互いの境遇を理解しあえたり、共感できることも。
「男の料理教室」は、菊名地区センターや港北区区民活動支援センターの広報誌・掲示板等に会員募集のお知らせを掲載しています。
お問合せや参加申込は、菊名地区センターまで。
また、横浜市では菊名地区センターの「男の料理教室」以外にも、男女問わず参加できるものや、レベルに合わせて参加できるものなど、様々な料理教室が行われています。
料理教室が気になった方は、お近くの教室を探してみてはいかがでしょうか。
編集後記
調理のスキルにかかわらず、自主的にできることを担当し、チームでひとつのメニューを完成させている姿が印象的でした。
丁寧にアドバイスをしてくれる先生の存在も欠かせません。
料理に自信のない方も、まずはこうした料理教室から始めてみてはいかがでしょう。
一人でのチャレンジより、ハードルが下がるかもしれません。